ブリッジトレーニングジムのフロアに置かれた、少し不思議な形の棒。
初めて見る方は「これ、何に使うんですか?」と興味津々で聞いてくださいます。
これは「インデアンクラブ」という伝統的な道具。
当ジムでは、メインのトレーニングに入る前のウォーミングアップとして、このクラブを振る時間をとても大切にしています。
一見アナログですが、実はこれ、「しなやかで動ける体」を作るための『なるほど!』な秘密がたっぷり詰まった、とっても賢いツールです。
1.現代人に欠けている「円運動」を取り戻す
現代の生活は、歩く、座る、スマホを見る…といった「前後の動き」ばかり。
実は、肩などの関節を大きく「回す」チャンスが劇的に減っています。
しかし、人間の関節、特に肩関節は「球関節」といって、あらゆる方向へ自由に回るようにできています。
使わなければ、関節の周りの筋肉は固まり、可動域はどんどん狭くなってしまいます。
インデアンクラブの基本は、円を描くように振り回すこと。
この「円の動き」が生む遠心力が、固まった肩甲骨や肩関節を優しく、ダイナミックに解きほぐしてくれます。
無理にグイグイ伸ばすストレッチとは違い、重みの力を借りて自然に可動域を広げていきます。
2.「脳と筋肉」のスイッチを入れる
ウォーミングアップは、ただ体温を上げるだけではありません。
眠っている脳に「これから動くよ!」と合図を送ることも重要です。
インディアンクラブをリズムよく操るには、少しコツがいります。
この「どう動かせばいいんだろう?」と脳が試行錯誤するプロセスが、神経系をパッと目覚めさせます
体幹(軸)を安定させながら、末端を自在に動かす。
この感覚が研ぎ澄まされることで、その後のトレーニング効率が劇的にアップするんです。
3.肩の健康が「全身の連動」を生む
一般の方にとっても、アスリートにとっても、肩の健康はボディラインやパフォーマンスに直結します。
インデアンクラブで肩甲骨周りが正しく動くようになると、胸が開き、深い呼吸ができるようになります。
すると、体幹への力の伝わり方が変わり、以前お話しした「全身の連動性(キネティックチェーン)」がスムーズに回り始めます。
日常で荷物を持つ時も、スクワットをする時も、あるいはケトルベルを持ち上げる時も、動きが楽になります。
ウォーミングアップで「肩」という重要なスイッチを入れておくことで、全身が機能しやすくなります。
◎「機能美」は、準備の段階から始まっている
「機能は外見に表れる」ーー私たちが大切にしている言葉です。
インデアンクラブで肩甲骨周りが正しく動くようになると、胸が開き、姿勢がスッと整います。
すると、お腹やお尻にも力が伝わりやすくなり、全身がひとつのチームとして機能し始めます。
軽やかに、リズムよくクラブを操る姿は、それだけで無駄な力みがなく、とても美しいものです。
その「しなやかな動き」ができた時、あなたの体はすでに、理想のラインへと変わり始めています。
変化を楽しむ。
まずはここから始めてみましょう。
「運動は久しぶりで不安…」という方にこそ、まずはこのクラブを握ってほしいと思います。
難しい理屈は抜きにして、重みに身を任せてブンブンと回してみる。
それだけで、肩周りがポカポカ温まり、心までスッキリ軽くなるはずです。

